さて、玄人の眼でエアー工具を選ぶとすれば、どうなるか。エアー工具と一口に言っても、たくさんの種類がありますが、大きく見ると「研削系」と「締め工具系」に分かれます。コンパクトというメーカーは主に自動車鈑金塗装系や木工系のユーザーをターゲットにしています。また、空研はインパクトやラチェットといった「締め工具」を得意としていて、自動車分野のなかでも特に整備系ユーザーを多く獲得してるようです。Si信濃機販は特にベルトサンダーがラインナップはひじょうに多い。というように各社特徴をもっています。
■サンダー
・ダブルアクション
この工具は研磨に用いるエアツールですが、以前より用途が狭くなったように感じられます。以前なら、現場でダブルアクションを使って、パテ研ぎをしている風景をよくみかけたものですが、丸の回転系工具なので、ひずみが生じやすいという欠点があります。ダブルアクションはBP工場なら必ずある工具なのですが、最近の主な用途は、パテを研いだあとの周辺部の「ペーパーの目ならし」。「サフ研ぎ」。「上塗り塗装前の足付け」。といった用途に限られた感があります。したがって、ペーパーの粒度でいうと、この工程で使うペーパーは「P320〜P800くらいの細かな番手」になります。もはやダブルアクションで「削る」ことはありません。
ダブルアクションはご存じのように、オービットという重りにより、偏芯運動をするツールですが、オービットの径が大きいほど、その振り幅が大きくなります。つまり大きいほどパテ研ぎなどの「粗研ぎ」に適します。オービットの標準サイズは5mmですが、これより大きなものは、もはや必要ないといってもいいでしょう。
・シングル
このカテゴリーは主に、第1工程の鈑金前の塗膜に用います。ペーパー番手はP80前後が主流。シングルサンダーではコンパクト715A2や、SI-2405が売れていますが、少しかわったところを紹介すると、擬似シングルというものが発売されていますが、実際にはダブルアクションの動きをしますが、旧塗膜剥離ではとても効率のいいサンダーです。また、丸パットですが、パットが回転しない、揺動サンダーSI-3200A-Bもユニークな機種です。
【吸塵式か非吸塵か】
パテ研ぎはダブルアクションの役割からはずれることによって、ホコリの飛散割合は減ったわけですから、ダブルアクションは非吸塵を使うユーザーが増えました。
パットサイズはφ125mmのものをお選びください。理由は、メーカーの販売戦略でφ100やφ150mmといったものが流行った時期がありましたが、市場には受け入れられませんでした。これはペーパー供給などのインフラがそれを許さなかったのでしょう。結局、φ125径が主流となりました。このサイズが現場ではもっとも使いやすいという結論でしょう。
また、本体も樹脂ボディで軽量化を測った「片手サイズ」のものが主流です。
■四角パット系サンダーはストレートラインが人気です。上位にストレートラインサンダーが上位にランクされました。Si-7100は小型で軽量の機種です。
・オービタル
鈑金面積の大きなものは、カーメーカーの政策からか、パーツ交換するようになりました。この業界事情で、補修面積が近年小さくなりました。オービタルの主な役目は、「パテ研ぎ」のパートとなります。以前はパットサイズの大きな「115mm×222mm」、「95mm×180mm」というものが主流でしたが、今は幅も長さも、小さなものへシフトしてます。「75mm×110mm」「75mm×175mm」というサイズのものになっています。吸塵か、非吸塵かについては意見の分かれるところですが、集塵装置の整った工場なら、とうぜん吸塵式の選択になります。ない場合で、吸塵式を使う場合は、オービタルの吸塵ダクトのうしろに袋をつけて、研磨粉を集める方式をとっています。けれども、操作性が悪くなるため、いっそのこと非吸塵を選択するケースもあります。
・ストレートラインサンダー
このツールは最近注目を集めています。Si(信濃機販)というメーカーからSi-7100という片手サイズで、ひじょうに操作性のよいストレートサンダーが発売されました。オービタルと比較して、横ブレがなく、狙ったラインを出せる優れたツールです。ストレートラインサンダーの歴史は古く、30年以上も前から、あったものですが、それはとてつもなく大きなツールでしたが、近年の仕事の小面積化に対応した、ハンディサイズのストレートラインサーダーが発売されています。しかも樹脂ボディで軽量に作られており、「手研ぎ」感覚の便利なサンダーです。現場の玄人ユーザーに聞いても、ひじょうにレスポンスがいいという意見です。小型のストレートラインサンダーは待ち望まれていたツールだということが理解できます。
■ベルトサンダー
このカテゴリーはユーザーではSiのエアーベールトサンダーをよく見かけます。ベルト幅は10mmと20mmが主流です。ベルトペーパーの選択は、10mm幅のベルサンダーの場合は、12mm×330mmのベルトペーパーを選ぶとよい。ローラー幅ジャストよりも、左右1mmの余裕があると、実際には作業がしやすくなります。
■エアーソー
このカテゴリーの人気商品を2機種紹介させていただきます。
・コンパクト604
このエアソーの特徴は、圧倒的に「振動が少ない」ことです。従来機種にくらべ、手に伝わる振動をほとんど感じない。ということですが、実際には振動がゼロではありませんが、少ないことは確かです。
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この機種の特徴は「ギア式」であることです。
■インパクト、ラチェットなど締め工具
このカテゴリーでだんぜん強みを発揮するのは「空研」です。インパクトレンチのラインナップは多く、選ぶのに苦労するくらいです。
ラチェットで特徴のある機種を二つ、ご紹介します。
インパクトの用途は主に一般産業用と自動車の整備業向け、とくにホイールの脱着に用いられます。一般乗用車のナット径から12.7mmが主力となります。2tトラックなどは19mm角を使います。
・空研 KSS-10 クイックスパナ ギア式ではないスムーズで静かなラチェットです。回転方向は1方向のみで、センターの差込を押し込むと裏側、突起が出て、逆回転ができます。ギア式ではないので、噛むことはありません。
・超小型ラチェット Si-1108A、 Si-1108B、 Si-1107A 世界最小のエアラチェットで、長さはなんと125mmと、掌に入るくらいのツールです。エンジンルーム内など狭小の隙間でも締められるスグレモノ。9.5mm角と6.3mm角があり、1108A(9.5角)はソケットをワンプッシュで取り外しできる機能まで付いてます。
■OEM
副資材のメーカーがエア工具や電動工具を発売しているケースがあります。結論からいいますと、これを選択することはお勧めできません。このようなケースでは、発売は有名ブランドであっても、実際に製造しているのは、エア工具の専業メーカーであることがほとんどです。メーカーの施策で「ユーザーを囲い込む」ためにワザと、それにしか使えない、サプライ品(ペーパーの穴位置が異なるものとか、サイズが特殊なもの)で規格される場合が多い。しばらくすれば、その製品はなくなっていた、なんてこともあります。