バックアップ・ストレッチャ
■スタット鈑金によるパネルのバウンドを解消
昨今のクルマのボディーには
高張力鋼板(注1)が使われていることは、ご承知のとおりです。高張力鋼板をスタットで引き出し鈑金すると、高熱によるひずみが生じます。 思わぬところのパネルが延びて、いわゆるバウンド現象(注2)が起きます。
今回の現場への提案は、このバウンド現象を解消するために バックアップストレッチャーを使って、パネル裏側から補強する方法です。
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定盤に2液を押し出す |
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2液を混合する |
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アクリアドヘイシブをプレートに塗る |
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バックアッププレートを裏から貼る |
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貼って15分経てばポンチで押せる。 |
■使用方法
- 補強したい部分を、バックアッププレートを鈑金の範囲にカットする。バックアッププレートは厚さ0.2mmで、ハサミで自由にカットすることができます。
- 定盤に構造用接着剤アクリアドヘイシブ1Mを適量出して、2液をよく混ぜます。
- 調合したアクリアドヘイシブを、ヘラでバックアッププレートに、均一に塗り延ばします。厚みは1mm以下でよい。
- バックアップしたいパネルの裏側に貼り付けます。
- 15分乾燥させれば、パネルの表側からポンチで、押さえる(鈑金)こともできます。
・バックアッププレートは錆に強いという特性を持っった専用板です。
構造用接着剤アクリアドヘイシブ1Mは、2液反応型アクリル接着剤で、接着力はひじょうに強く、乾燥も速く、約15分で次の作業にとりかかることができます。また、こんな使い方はされないでしょうが、仮にパネルが水に濡れた状態や、油が残っていても、接着することができます。
注1:【高張力鋼板とは】
昨今、自動車の外板パネルに使われている材質は、クルマの軽量化を目的として、高張力鋼板やさらに超高張力鋼板が使われています。これらの素材は、従来より厚みが薄い。薄くても強度のある材質ですが、一方で高熱により変形しやすい性質をもっています。このため、従来のスタットを使った鈑金術では、熱伝導により一定レベルを超えると、鈑金箇所とは異なる箇所にも影響をあたえ、「ひずみ」が生じます。
修理する側からすれば、鈑金しにくい材質に変遷してきたため、少しのへこみでも、「パーツを交換」する。という結果になります。カーメーカーに近い修理工場(カーディーラーの内製化工場)では、修理時に「パーツを売る」という目的があるため、「交換」でも都合がよいのですが、一般の鈑金専業者は、「交換」では、鈑金の技術を売りにすることができません。リサイクル、リユースという、「もったいない」の観点からも、高張力鋼板をすばやく修理する技術と、道具の開発が急がれるところです。
注2:【バウンド現象とは】
スタットでワッシャを溶植してパネルを引き出す場合、瞬間的に大きな電気を流し、ワッシャをパネルに溶接するため、高熱が発生する。その熱の影響で、パネルにひずみが生じます。ひずみは時に、思わぬところまで走り、パネルが伸びて、ふくらみの反対側に反り、軽く力がかかるだけで、またふくらみ側に戻る。パネルがペコ・・ペコと行ったり来たりする現象のことをバウンドと呼びます。
注3:【バウンドを防止できるわけ】
バックアップストレッチャは専用バックアッププレートをパネルの裏から接着することによって、バウンドを防止します。理由は、極薄板でも、アクリアドヘイシブ1Mで強固に接着することによって、横ズレがしないため、バウンドが防止できます。
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