Q1.洗浄してもう一度使用できるフィルターはありますか?
A. 塗装ブースには不織布フィルターが使われています。不織布フィルターには清掃や洗浄をして何回も使用できるものと、再利用できないものがあります。不乾性の粘着性加工が施してある製品は再生することができません。
【塗装ブースでは】 排気フィルターには再生可能なフィルターが使われおり、水洗いによって再生できますが大量の塗装ミストが付着しますので清掃には少し労力が必要となります。
天井フィルターには捕集精度を考慮して粘着性フィルターが使われおり、清掃、再利用することはできません。
Q2.不織布とは何ですか?
A. 不織布(ふしょくふ)とは文字通り「織らない布」のことをいいます。
不織布は編物ではなく、合成繊維や天然繊維と接着剤を組み合わせて高分子化学で作られた素材で、用途に応じて自由に製品を設計することができます。塗装ブースにはポリエステル、ガラス繊維、パーム繊維(ヤシガラ)、塩ビなどの素材でつくられた不織布フィルターが用いられています。ほかに不織布ではありませんがクラフト(紙)のフィルターも使われています。
Q3.不織布フィルターの特徴にはどんなものがありますか?
A. 不織布フィルターは目的に応じて、繊維の種類、繊維の太さ、繊維密度、接着剤との組み合わせとフィルター構造の設計により企画されています。
【フィルターの構造 「密度テーパー」】 フィルターの繊維密度は空気入口側は粗く、出口側になるに従って細かくなっています。このため入口側でまず粗いホコリをとり、出口側でより細かなホコリをとる構造になっています。製造段階で密度の違う薄いフィルターを何層かに重ね合わせて作られています。半導体製造工場のクリーンルームに使われる空調用フィルターはこの複層数がひじょうに多く1ミクロンというごく細かなほこりも捕集するように設計されています。ブース天井に使うフィルターはこれらと同じ構造になっている高性能なフィルターです。この構造によって、ホコリの捕集性がよく、なおかつ通過減圧の少ないフィルターができます。
Q4..通過減圧とは何ですか?
A. 空気がフィルターを通過する際、フィルターが抵抗となってその入口と出口では圧力に差が生じます。そのことをフィルターの通過減圧と呼びます。この通過減圧が極力少ないフィルターがよいフィルターといえますが、ホコリの捕集効率も考慮しなければなりません。単純にフィルターの目を粗くしたり、厚みを薄くすれば通過減圧は少なくなりますが、同時にホコリやミストも通過しやすくなり捕集も悪くなります。
Q5.フィルターの寿命について
A. フィルターが目詰まりしてくると通過減圧が大きくなります。塗装ブースで使われているフィルターの場合、初期値の85%に低下したときそのフィルターの「寿命」がきたということになります。
Q6.フィルターのメンテナンスと選定について教えてください。
A. 塗装ブースの使用時間が経過するとともに、捕集された粉塵がフィルターに蓄積して目詰まりをおこし、フィルターの通過減圧は増加し空気の流れを妨げ、フィルターの能力は低下して、一旦吸着したほこりやミストが再飛散してゆきます。給気フィルターがその状態になったならばブースの室内圧は予定よりマイナスが強くなり、そこで採るべきホコリがフィルターを通過してブース内に侵入してきます。また、排気フィルターが目詰まりした場合は、空気が出て行くことに大きな抵抗となるため、換気が悪くなりミストが室内にこもる現象が起きます。
【給気フィルター】
◇給気1次フィルター
比較的大きなホコリのブース内への進入を防ぐために取り付けられたフィルターですので、非粘着性の不織布フィルターが用いられます。案外清掃は容易ですので、定期的に清掃されることをお勧めします。フィルターの素材が劣化した場合はもちろんですが、清掃しても吸着ミストが取れない場合は交換してください。形状はシートタイプとポケットタイプ(バッグとも言う)があります。シートは自由寸法でポケットは定寸法に分類しています。
◇天井フィルター
ブースで使用されるフィルターのなかでは機能性の高い粘着性フィルターを用います。細かなホコリまで吸着し、ブース内へホコリが進入することを防ぎます。このフィルターは再生できないので定期的に交換する必要があります。
形状は天井のほぼ全面についている場合が多く、シート状のフィルターを枠にはめてユニットごとに取り付けられています。枠の縦横寸法を測って枚数を数えればすぐに価格はわかりますので「シミュレーター」をお使いください。
天井フィルターの自由寸法に分類しています。
自動車用塗装ブースの天井フィルター交換の目安
交換サイクル 月間処理台数 50台〜70台 1年に1回
100台〜120台 6ケ月に1回
120台〜150台 4ケ月に1回
150台〜200台 3ケ月に1回
【排気フィルター】
排気フィルターは塗装ミストを外気に放出することを防ぐためにとりつけられたフィルターです。排気フィルターが目詰まりした場合は室内にミストがこもりますので、比較的清掃の時期は判断しやすいと思います。定期的に清掃されることをお勧めします。また、排気ファンユニットやモーターにミストが付着して蓄積していけばブースの故障にもつながりますので、排気フィルターでミストをしっかりと吸着する必要があります。また、排気フィルターは塗装ミストが固着してしまうケースが多く、清掃にはそれ相当の手間がかかりますので、コストをじゅうぶん考え、割り切って使い捨てで安価なフィルターを常に交換していくこともひとつの方法です。
(まとめ買いで安くなりますので場合によってはご一考ください。)
塗装ブースの排気フィルターは次のとおりです。
◇床フィルター
床のグレーチングの下に敷いて取り付けられてます。グレーチングユニットの幅でブースの前から後ろまでつながっていて、ほとんどの場合フィルターメーカーではグレーチング幅に合うようにフィルター幅を規格していますので、その規格サイズの中から選べば自社のブースに取り付けることができます。原反寸法は(幅)600mm〜2000mm×(長さ)20mまたは21mです。素材はスパングラスと呼ばれるものでガラス繊維から作られています。特に外国製の塗装ブースは床フィルター装着式が多いようです。このフィルターは排気の定寸法に分類しています。
◇排気2次フィルター
排気ユニット内に取り付けられています。形状はシートタイプとポケットタイプがあります。シートタイプは枠にはめて装着します。ポケットタイプは排気ユニットの寸法に合わせてフィルターが山谷状に縫って作られています。素材は不織布が用いられています。通常排気フィルターは50cm×50cmの定寸法のものが一般的ですが、それ以外のものは自由寸法からお選びいただけます。
Q7.フィルターに難燃性はありますか?
A. はい、あります。JIS-L-1901の難燃性試験で評価しています。(一部難燃性なしのタイプもあります。)
Q8.フィルターに耐水性はありますか?
A. エアフィルターが少量の水に濡れた程度であれば、その水が乾燥すれば元の状態に戻りますので、特に問題が起こることはありません。また、フィルターを水洗いした場合はじゅうぶんに乾かしてからお使いください。大量の水がエアフィルターの表面に付着して水の膜を作ると一時的にブース内圧力が変化することがありますので、つねに水を含むような使用方法は好ましいとは言えません。
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