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「磨き」を少し科学的に考えてみることにしました。工場の「標準マニュアル」策定にお役立てください。
■目的別に正しい組み合わせを選ぶ。
磨きで使うものは ポリッシャー、バフ、コンパウンドの 3つ(三種の神器)
種類はそれぞれ研磨力の大、小 2種類に限定した。 (計6種類)
まず、それぞれの特性を整理すれば以下のようになります。
| 種類/研磨力 |
強い |
弱い |
| ポリッシャーの種類 |
シングル回転 |
ダブルアクション |
| バフの種類 |
ウールバフ |
ウレタンバフ |
| コンパウンドの種類 |
極細目 |
超微粒子 |
各アイテムの機能 を理解し、正しい組み合わせを選択することによって作業時間が短縮し、仕上りが向上します。
目的はいかに 磨き目 (バフ目)を残さず、かつ効率的に仕上げるかということです。
注:磨き目というのは、バフでボディーを研磨した際にできる半円状の細かなキズのことです。
1.まず、バフとコンパウンドの組み合わせに限定して考えてみます。
<塗色別、用途別 コンパウンドとバフ適応表>
☆組み合わせ |
ウールバフ&極細目 |
ウールバフ&超微粒子 |
ウレタンバフ&超微粒子 |
淡色車の小キズ取り |
◎ |
○ |
× |
淡色車 の仕上げ |
○ |
◎ |
△ |
濃色車 の小キズ取り |
◎ |
○ |
○ |
濃色車 の仕上げ |
× |
○ |
◎ |
特 徴 |
研磨力:高
バフ目:強 |
研磨力:中
バフ目:中 |
研磨力:低
バフ目:弱 |
淡色車とはホワイト・パール・シルバー等
濃色車とはブラック・ネイビー・グリーン・レッド等
淡色、濃色の基準は色相や彩度ではなく 色の明度 で決定します。
(最も適している)だけを抽出すると・・・次のようになります。
バフ& コンパウンド
@淡色の小キズ取りには ウールバフ&極細目
A淡色の仕上げには ウールバフ&超微粒子
B濃色の小キズ取りには ウールバフ&極細目
C濃色の仕上げには ウレタンバフ &超微粒子
消去法でいくとAは必要ありません。@の工程だけで済むので(理由は後述します。)
だとすれば「バフとコンパウンドの組み合わせ」は下記の2通りしかないことになります。
まず、1つ目の結論
「バフとコンパウンドの組み合わせはこの2通り以外必要ない。」
□ ウールバフ&極細目
□ ウレタンバフ&超微粒子
ということにしてはどうでしょうか。
【ひとくちメモ】 磨きの基礎知識
なぜ、淡色と濃色で工程がちがうか?
同じバフとコンパウンドを使って同じ作業を行えば、それが淡色であろうと濃色あろうと、物理的には同じレベルのキズが入っているはずです。けれども淡色は磨き目がでないのに濃色の場合にだけ出るのはどうしてでしょうか。答えは、人間の目の構造が濃色に対してキズを認識しやすくなっているからです。
ご存知のようにコンパウンドの中には研磨材が配合されています。研磨材とは文字通り「削る」ためのものです。削るものといえばサンドペーパーがすぐに思い浮かびますが、その表面についているざらざらした「砂」が研磨材です。研磨材の原料は、金属粉か岩石を砕いた粉(酸化アルミもしくはシリコンカーバイド)です。コンパウンドには、さらに細かい研磨材(原料は同じもの)が入っていて、それで「削る」わけです。削ると言えばおおげさに聞こえますが、「磨き」をすれば程度の差こそあれ、必ずボディー表面に、細かなキズが付いているわけです。これが磨き目の正体です。このキズを、人間が目視できないレベルの、細かなキズに置き換えるために、濃色は複数の工程が必要なわけです。
【
ポリッシャー別の用途&説明 】
シングルアクションポリッシャー |
動作 |
単に一方向に回る。 |
磨く力 |
強い。よく削れます。 |
自動車塗装に適した回転数 |
一般的には 1200rpm前後 可変式もあり |
ダブルアクションポリッシャー |
動作 |
回転と振動で動く。 |
磨く力 |
弱い。あまり削れません。 |
自動車塗装に適した回転数 |
5000rpm〜10000rpm 一般的には9000rpm |
■「磨き」のまとめ
【ポイント1】 ダブルアクションにはどんな効能があるのか?それをどう生かす・・・
濃色の場合、第1回目の磨きが終わった時点で、よく遭遇するケースですが、バフ目もしくは磨き目が付いています。これをどう表現をすればいいのか、まるで「音楽CDの裏面の様」、とでもいうのでしょうか。一見ミクロセームで、簡単に拭き取れそうにも思えるのですが、とれません。肉眼ではキズには見えませんが、顕微鏡で拡大すれば、まぎれもなく、これはキズであることが判ります。ちょうど魚の腹のウロコを大きくしたように、規則的に並んでいます。シングル回転のポリッシャーで研磨した場合は必ずこうなります。
淡色の場合にならないのは、視認できないだけで、実は同じようになっています。右利きのひとがシングル回転ポリッシャーを使って磨いた場合、通常ポリッシャーをやや左に傾けながら、左から右にポリッシャーを動かして作業をすることが主作業となります。その場合、バフの左側を使うことが多く、下図のようにポリッシャーの進行方向に対して、外側に半円状の磨き目が付くわけです。磨き目が規則的に並んでいるのはこのためです。シングル回転のポリッシャーを使う限りこれは宿命となります。
では、こうなった時どう対処すればよいか?
・方法@ このキズの並びをランダムな並びに置き換えてやる。
・方法A キズの太さを1ランク細かくすること。
・キズをランダムな並びに置き換えてやれば、視認できなくなります。(わからなくなってキズは消える) もうお解かりだと思いますが、ダブルアクションを使えばそれができるわけです。
方法Aについてはすでに述べたようにダブルアクションはシングルに比べ、研磨力は弱い(研磨キズは細かくなる)わけですから、第 1研磨と同じ条件、つまり同じバフ、同じコンパウンドでポリッシャーを、ダブルアクションに変えるだけで、理論的には磨き目は消えます。ただし、現在のところダブルアクションに取り付けるウールバフは、耐久性能の理由から製品としては見あたらないので、研磨目をステップダウンする方法として、ウレタンバフ&超微粒子&ダブルアクションという組み合わせになります。この場合、ダブルアクションの研磨力を考えれば、第一研磨の段階でついた傷を、この方法で消せるかどうかという問題が残りますが、この考え方を元に実地で検証し、自社の「標準マニュアル」を作成されることをお勧めします。(決めておけば誰がやっても同じことができる。)
【段階を踏んだポリッシャー&バフ&コンパウンドの組み合わせ】
条件:基本は2工程
小キズの程度 ボディー色 |
ステップ シングルポリッシャー |
ステップ シングルポリッシャー |
ステップ ダブルアクション |
強 淡色 |
ウールバフ&極細目 |
*** |
*** |
弱 淡色 |
ウールバフ&極細目 |
or (ウールバフ&超微粒子) |
*** |
強 濃色 |
ウールバフ&極細目 |
ウールバフ&超微粒子 |
ウレタンバフ&超微粒子 |
弱 濃色 |
*** |
ウレタンバフ&超微粒子 |
ウレタンバフ&超微粒子 |
*** 必要ないと判断しました。濃色のキズの強の場合のみ3工程になります。
【ポイント2】 研磨力を考え、組み合わせを考える。 3工程以上は考えないようにしましょう。(省エネ)
他にもたくさんの組み合わせはありますが、原理を考え作業をできるだけシンプルにすることがポイント
【余談】 人間、手間を掛ければ掛けるほどきれいになると思いがちですが、逆もあります。誤った方法で作業したならば、結果は悪くなることも多々あります。
ex . 研磨力が必要な場合なのに仕上げに近い組み合わせを選んでしまった場合、人間って不思議なもので自然と手に力が入ってしまうものです。必然的に長時間磨きをするはめになります。自分が疲れるだけならいいんだけれど、ボディーにとってもよくありません。力を加えるということは、摩擦熱が多く発生します。摩擦熱が高すぎた場合、塗装も生き物ですから、熱で戻りをおこし、ツヤ引けやキズが目立つようになります。くれぐれもご注意ください。
【ポイント3】 バフの掃除
磨きをしていると、徐々にコンパウンドの「切れ」が悪くなってきます。さらに、そのまま磨きをしていると、ボディーにコンパウンドが焼付いてしまいます。これはコンパウンド中の研磨材の粒子が、つぶれて細かくなり、研磨力が衰えるためです。さらに、コンパウンド中の水分が、研磨の摩擦熱によって蒸発するため、固形分のみが残り、コンパウンドがパサパサになってカラミが生じます。切れなくなったコンパウンドで研磨していると、かえってボディーに深いキズを入れてしまうことになります。
これを防止するためにどうしたらよいか?
バフに残ったコンパウンドを、こまめに取り除くことで、これを解消することができます。目安は、 50cm四方を磨いたら1回バフを掃除する。方法はバフトリマーでバフの表面に付いたコンパウンドカスを払う。また、バフクリーナーを使うと手早くできます。これを使うと、バフに適度な湿り気をもたせることができるので、バフをいい状態に保つことができます。そして、また少し(50cm四方磨けるだけでよい)コンパウンドをつけて磨く。ポイントは、必要以上にコンパウンドを付けすぎないようにすることです。また、同じバフで種類の違うコンパウンドは使わないようにする。「このバフは極細用とか超微粒子用」というようにバフを区別すること。作業が終わったらバフを水洗いする。これもたいせつなことなので心掛けてください。
【ポイント4】 塗装した場合のゴミ処理
塗装したら多いか少ないかは別にしてゴミは付きます。また、アッパー面はスタンド面よりゴミが多いはずです。ここまでの説明ではブツ処理後の磨きには触れていなかったので、少し説明を加えます。
ブツ処理の手順は、以下のような方法が一般的です。まず、@特殊メタル(ダストクリーナーメタル)やクリスタルブロックなどでブツの頭の部分を削ります。Aその後、耐水ペーパー 1500グリットでその箇所を研磨して整える。Bさらにていねいにする場合はバフレックスで目を整える。C細目コンパウンド、ウールバフ、シングルポリッシャーを使用してペーパー目を消す。この方法でブツ処理した場合、作業が終わった時点の塗膜の状態は、細目コンパウンドで削ったキズが残っていることになりますので、以後の作業は、いままで述べてきた工程に入るわけです。つまり塗装した場合のコンパウンドの磨きはこの工程がありますので、この工程を含めて最大3工程になります。
【プロユースの売れ筋コンパウンド比較一覧表】
コンパウンドの種類 |
細 目 |
極細目 |
超微粒子 |
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メンツェルナ
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POS34A(#1000)
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PO91J(#2000)
PO91L(#2000)
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PO90J(#2500)
PO87MF(#2800)
PO85J(極微#3000)
PO85RD(極微#3000)
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3M |
エフ1 |
ハード1−L |
ハード2−L |
GELSON |
ワンショット |
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Farecla |
ファレクラG3 |
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太赤字 はお勧め商品です。
3M商品はお使いの方も多いので、比較参考にしていただくために並べました。
シングル最強ポリッシャー「Mai U」。ダブルアクション「Toi」とバフについての詳細はこちらをご覧ください。
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