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最近、気づいたのですが、よ〜くスプレーガンを観察してみると、どうも2通りの設計思想があるようです。エアを放出する方式の違いとでも言うのでしょうか、仮にそれぞれの方式に「ニードルコンポ型」と「エアー独立型」という呼称を付けることにします。果たして2つの方式の違いはスプレーガンを使う上でどのような違いがあるのかを検証してみました。
まずおさらいですが、スプレーガンは液体を霧にして吹き付ける道具で、中心にニードル(針)が通っていてトリガーを引くと、ニードルが後退することによって塗料(液体)が前方へ飛びます。スプレーガンにエアーを接続していない場合はノズルより糸状に出るため、これでは霧状にならないため、きれいに吹付ることはできません。そこでスプレーガンのエアキャップには細かな穴がいくつか開けられていて、そこからエアーを放出し、塗料と空気が混ざりあって「霧」になります。スプレーガンの機構はダブルアクションになっていて、少しだけトリガーを引くとまず、エアーだけが出て、さらに引くとエアーとともに塗料が出始めます。いわゆる「ダブルアクション機構」になっています。ここまではいいですよね。
2通りの方式というのはエアーを出させるアクションの違いによる分け方です。
A.エアー独立型
塗料ニードルとエアーバルブ(空気弁)が分かれているタイプです。画像の例はサタ3000ですが、塗料ニードルとは別にトリガーの後ろ側にエアーバルブが付いています。(円の部分)トリガーを引くと先にエアーバルブが後ろに押されてエアーが出、さらに引くとニードルがバックして塗料が出ます。
この構造をもつ機種は・・・SATAjet3000HVLPほか全機種、デビルビスJGX-502、JGXi-502、GTi、SRi、明治Finer、
岩田W-71ほか
B.ニードルコンポ型
ニードルとエアバルブが一体型になっています。構造はニードルがバルブシリンダーを貫通している二重構造になっており、トリガーを引くとまずエアバルブにあたってエアーだけが出て、さらに引くとニードルが後退して塗料が出ます。画像は岩田W-101ですが、トリガーのうしろには何もありません。
この構造を持つ機種は・・・岩田W-101、デビルビスLUNA、FUN、JJほか
この違いは何を意味するのか? 結論から先に言うとA.のエアー独立型のほうがトリガーのプル&リリースという指動作に対して反応が素速い。B.はトリガーの反応は緩慢で鈍い。バルブが戻るのに少しのタイムラグが生ずる傾向。(といってもほんの短い時間ではあるが・・・。) すなわち「思いのままにスプレーガンを繰りたければ反応のよいエアー独立型がよい」というのが結論である。広範囲の塗装なら塗出量をツマミで調整しトリガーはアタリまでいっぱいに引けばいいだけなので、どちらでもなんら支障はないが、小技を利かせたいケース、例えばスポットボカシなどはトリガーのコントロールによる微妙なニードルの出し入れを繰り返す。しかもできるだけ軽いトリガータッチで瞬時にできることが望ましい。いわゆる半クラ(ッチ)のコントロールである。この作業でニードルの「戻り」が遅ければ半クラのテクニックを困難にさせる。反応が速ければ、始めたいところで始まり、終わりたいところで終れる。これができるならボカシも余分ところまで引っぱらずにフェードアウトすることが可能な良いスプレーガンだと言える。
予断ですが、sata RPのユーザーはスポット補修にもこのRPを多用しているのを不思議に思ったことがある。それもそういった使い方をしている人は少数派ではない。そのボディーの大きさや重さやノズル口径1.3mmからすれば、スポットのボカシには向くとは想像しにくかった。けれども今回の検証によりこれも納得できた。ちなみにRPのページにユーザーの声を掲載していますので、興味のある方は参照ください。
以前のスプレーガンはエアー独立型が多かったが、最近のスプレーガンはニードルコンポ型が多くなってきた。なぜだろうか? 私の推測ではたぶんコンポ型のほうがスプレーガン本体を軽量化しやすいためではなかろうか。昨今、スプレーガンはより軽量化へ進んでいるようであるが、犠牲になっている部分もある。デビルビスJGX-502や岩田W-71といったヴィテージモデルがFUNやJJではなく、未だに出荷がある理由を考えてみると、これまた納得である。塗装機メーカーには技術を発揮しやすい、いい道具を作ってもらいたいと思う。
自らの経験に基づいて道具を選ぶ確かな目を持った少数のプロ=玄人(くろうと)は、気質からしてその理由についてほとんど語らないが・・・。 |