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▲水性塗料の塗装実験データ

 

自動車メーカーの補修塗料水性化への取り組み

■トヨタ 補修用水性塗料を共同開発し2007年7月から純正品で発売を開始
 トヨタは国内自動車メーカーのトップを切って補修用水性塗料を純正化し、7月から全国のトヨタ共販を通じて販売に乗り出した。今回、トヨタブランドとなったのは日本ペイント、関西ペイントと共同開発した水性ベースコート。今後クリヤーや下地塗料などを含めて、トータルな水性化移行を目指すことで、補修分野での有機溶剤(VOC)削減を一段と促す方向性を打ち出している。さらに、資本系列化の販売会社での切り替えは一挙に高まることになるだろう。最大手のトヨタが水性塗料へ舵を切ったことは、行政や消費者へ与える影響度は大きいものが予想されるだけに、国内の水性化への取り組みが加速するのは間違いない。

 従来の溶剤系塗料から水性塗料へ移行することでVOC排出量を半減できるとしており、環境への負荷や作業者の健康に配慮しながら、仕上がり品質は溶剤系と同等レベルを確保。追加設備においても専用のエアブロアと寒冷地における保温貯蔵対策のみで、作業性については特に問題はないと評価している。こうした背景には、ほぼ1年をかけてトヨタ日進研修センターや系列ディーラー内製化工場など10数ケ所の先行テストによる検証が行われており、陣頭指揮にあたったサービス技術部では自信をもっている。

 トヨタでは生産ラインにおいて、国内4工場9塗装ラインの水性化対応はすでに完了している。ハイブリッドに代表されるエコカーの積極的な販売など、「地球環境」という課題に取り組む「先進企業」へのこだわりはとても強い。補修分野においても国内他社に先駆けるかたちとなった。

 推進役となったBPサービス室では、今秋からの塗装は水性塗料で進めることにしており、将来的には社内検定、技能コンクールについても、水性化を打ち出すことで、脱VOCを鮮明にする方針を堅めている。

▲ニュース 長野県須坂 (株)ユー・ボディアンドペインティングの取り組み

■ヤナセは水性塗料を導入推進
 ヤナセとデュポンは2007年4月16日、両者の全面的な協力関係のもと、ヤナセの内製化工場にスタンドックス水性塗料スタンドハイドを導入すると発表した。これを受けてヤナセは4月からスタンドハイドを同社のパイロット工場であるBPセンター横浜に先行採用し、以降、段階的に全国に10ケ所する内製BPセンターに展開するとともに、契約工場194社に対しても順次導入する予定。

 ヤナセBP営業部とデュポン高機能塗料事業部は2005年に補修プロセスや適切な材料選択を明示した「YANASE The Bodyshop Nerwork Standard」を策定。技術トレーニングを展開するなど、補修作業品質を高める目的で強力体制を強化してきた。そして今回、デュポンがスタンドハイドの日本市場への浸透を画るためヤナセに提案し、合意に至ったもの。水性移行によって工場VOC削減率が80%となり、大気汚染防止法のVOC削減目標を大幅に上回るかたちとなる。ヤナセ古市社長は、「環境にやさしい水性塗料の活用を推し進めると同時に、業界をリードするかたちで、環境負荷軽減に向け積極的に貢献していきたい」との考えを示した。

 BPセンターではすでに水性塗料やブロアーなどの設備導入が完了しており、今後は日本の気候下における作業性の確認とデータベース化を画り、実践的なノウハウを蓄積したあと、全国の内製BPセンターおよび強力工場へ普及させる見通しである、年内中には大阪BPセンター茨木への拡大を画る。

 ヤナセBP推進部では「日本は欧米に比べ、水性塗料への移行が低水準にとどまっている。ヤナセが日本国内をリードするかたちで役割を果たして行きたい。」と意欲を見せ、業界の水性塗料化に大きな一歩となった。

▲ ニュースリンク

 

トヨタ 水性塗料 一問一答

2007年09月25日ペイトン&コーティングシャーナル

オールトヨタで水性純正塗料の推進     トヨタ自動車カスタマーサービス本部

トヨタ自動車は水性補修システム(製造元・日本ペイント、関西ペイント)の純正品としての展開を7月よりスタート。9月からは水性導入教育を実施する。VOC規制に対し明確な削減目標を定め、2010年までにオールトヨタで30%のVOC排出削減を達成したい意向。水性に及び腰の市場マインドに対し、トヨタグループとして水性シフトを推進し、環境優位のポジションを確立していく。
■モニタリングとチューニングを経て、7月より水性システムの展開が始まりました。

ディーラー14BP工場でモニタリングを行い、塗料システムのチューニングを終えました。チューニングによってレベルアップが図れたものと考えています。しかし当初予定していたオール水性システムではなく、ベースコートの水性化からのスタートになります。水性クリヤーに関しては作業性、乾燥性など改善の余地があります。また水性プラサフについても更に検討を進め、改善していきたいと思います。

■モニタリングでの評価は。

塗装作業については溶剤系システムと同等との認識です。5月から7月にかけてディーラー説明会を開催しましたが、塗りやすさやボカシやすさなど、プラス評価でした。水性の特性の理解が進めば、とりたてて水性化を阻害する要因はないと思います。

■調色に関してはいかがですか。

立ち上がり仕様として原色を約100色揃え、カラーカードを整備し、体制を整えました。調色精度については3コートパールのような水性の方が良いものもあり、精度全般について大きな問題はないと認識しています。フォーミュラ充実についても整備を進めています。

■水性のメリットについては。

特に現場サイドからは、健康・安全面で改善されるとの声があります。また臭気についてとりわけ安心の声が強く、近隣への配慮からも臭気問題が解決されることを期待したいです。

■設備・機器のセットアップは完了しましたか。

水性スプレーガン、アクアドライガン(エアブロー)など推奨品は揃えました。温風乾燥機についてはコストと性能の面でつめて、今年末までに推奨品としたいです。これがセットされれば水性システムの設備・機器がほぼ完成することになります。

■教育・研修のスケジュールは決まっていますか。

9月10日に第1回目をスタートさせます。月1回のペースで毎月開催します。今年度の教育スケジュールは締め切りました。45社から86名が参加する予定です。

■参加希望に応えられますか。

可能な限り希望に応えていきたいと思います。ディーラートップの判断にもよりますが、教育を受けた人が現場に落とし込む方法など、スムーズな浸透を図っていきたいです。

■水性に習熟していく段取りが重要ですね。

現状の生産性を阻害しない範囲で1日何台と決めたり、シルバーなど色を限定して使い慣れていくなど、ステップを踏んで習熟してもらいたいと思います。最終目標である水性への転換を念頭に置いたスケジュール化が必要になります。

■マインドとしてはハイソリッドなどの低溶剤から水性へといった2段構えが強いですが、現場的には一気に水性へいくことへの抵抗はありませんか。

低VOC化は低溶剤システムにしても洗浄溶剤を使っていてはトータルなVOC削減にはなりません。今回トヨタ自動車として水性塗料を純正品とした意味合いは、オールトヨタとして(水性化で)同じ路線を歩み、そのための教育をトヨタが担っていく、ディーラーと一体となった事業であるということです。

■インセンティブはお考えですか。

先行的に水性を導入したディーラーに対し不公平にならないような支援策を具体化したい。どのような形になるのかは未定です。

■水性転換はいつまでに完了する予定ですか。

まず水性ベースコートの導入によってVOCを47%削減。2010年までにオールトヨタで30%削減を実現するのが目標です。これは達成可能な水準だと思います。

■ディーラーの協力(BP)工場に対しても水性誘導はしていくのですか。

ディーラーが主体となり、ゆくゆくは水性への切り替えを進める段階になると思います。VOC対策としては水性化が間接的に促進されることになるでしょう。

■水性の純正品化は海外にも拡大していくのでしょうか。

既にEUではデュポン製品での水性の純正品化を始めています。今後アジアや北米などでも水性シフトに伴って純正品ないしは推奨品にする方向で検討に入っています。

ありがとうございました。
 
トヨタの水性塗料と 塗料メーカーから発売されている塗料の中味は別物?

 これは私の推測であるということわりを入れてお話しますが、結論から言うと同じものだと推測しています。理由は、もし違うと仮定したならば、塗料メーカーでは配合データをトヨタウォーターボーン用とN社o-base用の2種類作る必要があります。塗料メーカーで塗料設計上、最も時間を要する作業は配合データの作成であります。そのような2度手間となることをするとは考えにくく、塗料メーカーは公に言うことはないとは思いますが、共通であるほうが何かと都合はよいと考えるのが自然でしょう。データ運用に関して、塗料メーカー社内的にも混乱を避けるために、そのほうが望ましい。という理由でこう推測しています。

 
日本のカーメーカー担当者 座談会の内容 

 地球温暖化がクローズアップされ、環境が社会問題になっています。カーメーカーの認識について座談会の内容です。

【トヨタ】 サービス技術部 BPサービス室 山田清氏 
 ・今年の夏から補修用水性塗料の純正化を行います。国の環境基準では2010年までに2000年比で30%のVOC排出削減が目標に設定されていますが、その達成に向けたアプローチのひとつとして取り組むことになりました。現在、ディーラーに向けて体験会を実施している最中なのですが、ディーラーのみなさんも環境対応に取り組まなければならないという意識は持っています。しかし、乾燥性の問題など、まだまだ実際に行動に移すところは少ないのが実情です。そこでわれわれとしても、法律で決まっている以上、デメリットだけではなくメリットを正しく伝え、メーカー、ディーラーが一緒になって「オールトヨタ」でVOC排出削減を含めた環境問題に取り組んでいこうとしています。

 ・中近東やヨーロッパなどでは水性塗料は作業性がいいという話も聞いています。もともと空気が乾燥しているので、扱いやすいのかもしれません。日本とはかなり状況が違います。

 ・今後どれだけ時間が掛かるかはわかりませんが、サーフェーサーやクリヤーに関しても水性化し、オール水性のシステム構築に向けて取り組んで行くことは間違いありません。

【トヨタ】サービス技術部 BPサービス室 久保武弘氏
 ・ 他社から低溶剤型塗料の話も出ていましたが、今回トヨタとして補修用塗料の水性化に踏み切る際は正直いろいろと悩みました。ですが、最終的に法規制が入る前にしっかりと水性へ移行しようとカーメーカーとして判断しました。ただ、そこで単に塗料メーカーが発売しているものを推奨するだけでは、カーメーカーが主となった取り組みとは言えない。ですから、塗料だけではなく周辺の副資材を含めた関連製品を純正化し、教育体制も整えディーラーにとっての助走期間をしっかりと取れる形でスタートしました。今すぐに切り替えて欲しいということではなく、完全切り替えは1,2年先でもいいですが、徐々に習熟度を上げてもらい、来るべき本格的な規制への対応力をつけていただければと、中、長期的に考えています。
  ・低溶剤から水性化というのは確かに現実に沿った考え方かもしれませんが、現場の負担を考えると大きいのでは・・・。低溶剤の塗料を導入してから数年で規制が強化され、完全水性化となったときにコスト面でも負担が大きくなると考えたことも、今回の補修用水性塗料の純正化に踏み切った大きな要因です。
(さすがトヨタ。先を見越しています。)

【日産】アフターセールスマーケティング部
 ・VOCの30%削減については、日産の純正塗料であれば使用量も減るのでクリヤーできている状況です。しかし、周辺環境や人体への影響を考えますとここで立ち止まらずに、将来的に塗料の水性化に取り組む必要があります。ただ、乾燥性や低温下での保管の問題など設備も絡んでくるので、1,2年程度かけてじっくりリサーチし、対応策を考えてスタートさせていく予定です。
 ・確かに低VOC型塗料から水性塗料という2つのステップを踏んでいくべきかどうか迷いますね。最終的には水性化となるでしょうから、さきほど申し上げたように水性塗料のラインナップを検討している段階です。
( まもなく後押しされるように、日産は水性塗料化への移行を発表した。後手に回っている?)
 ・今年からサーフエーサーについて研究を始めました。クリヤーは今のところ難しいのではないでしょうか。

【ダイハツ】グローバルサービス部 人材育成室 BPグループ
 われわれも、具体的な計画はない段階ですが、今後の方向性としては水性化を視野に入れています。

【富士重工】カスタマーセンター企画部
 ・スバルでは水性化という段階には至っていません。というよりは水性塗料なのか、低VOC塗料なのか、というところを見極めているというのが正直なところです。現在のところ、メーカーとしては低VOC塗料の案内を行い、あとは各ディーラーの判断に委ねています。ですので、独自の判断で水性塗料のトライアルを実施しているディーラーもありますが、やはり効率が大きなネックになっており、全面的に移行というところまでには至っていません。
(典型的な例で、補修水性には消極的なようです。状況は迫っているにもかかわらず結論先送り型)

【マツダ】グローバルマーケティング購買部 ビジネス開発グループ
 ・マツダも同じような状況です。メーカーとして環境問題にたいして積極的に取り組みたい意向はあるのですが、具体的にどうするのかを検討しているところです。現場の状況を考えると、いきなり水性塗料への移行がいいいのかどうか、判断に迷いますね。やはり現実的には低VOCタイプの塗料から水性塗料への移行という流れになるでしょう。
(ということは現状でハイソリッド型塗料も未導入ということでしょうか? 補修水性への意識は低い・・・)

【ホンダ】技術開発部 整備技術開発ブロック
  ・積極的な指導ができていないのが現状です。しかし、塗料の配合データに関しては、水性塗料を発売している塗料メーカーに提供していただいており、今年の下期から出る新色では、さらに1,2社の配合データを加えることができるかもしれません。また、今年の秋口に水性化で一歩先を行っている欧州へ出向き、状況を確認してこようと思っています。
(ホンダはBP内製化率が低く、対応は各外注工場まかせ・・が現状のようです。メーカーとしては補修水性にたいして消極的?)
 ・そういった意味では、塗料メーカーにがんばってもらうしかありません。カーメーカーが塗料を作るわけにはいきませんから。   (他力?)

ということで「水性塗料にたいするカーメーカーの取り組み」では、他を寄せ付けず、「トヨタの独壇場」のようです。現状ではトヨタ以外は消極的な姿勢ですが、トヨタが水性化に動いたということで、他カーメーカーも「水性へ」となることは必至と予想される。

 
水性塗料の潮流

 環境保全にたいする意識が高まる中で昨年大気汚染防止法が改正された。それには具体的な数値目標が掲げられ、2010年までにVOCの排出量を2000年比で30%削減することとしている。

 新車塗装ラインではトヨタを筆頭に水性化が進んでいるが、ここへきて補修用塗料も水性化へ進むのか。

 ヨーロッパではかなり以前から塗料メーカーでは水性塗料の研究開発が進んでおり、自動車補修用水性塗料がこの世に出たころの製品と比べれば、VOC比率と作業性の改善という点では格段に進歩している。また、外資塗料メーカーはこの間の技術蓄積により、ボディー色の水性塗料の調色データベースをすでに装備しており、さらに、ほとんどの日本車のボディー色を含む、パーツ配合データまでも網羅している。

 日本の工場現場において、今すぐ導入してもまったく使用に差し支えることはない。こういった点でも日本塗料メーカーより、外資系塗料メーカーのアドバンテージは大きい。

 別欄で述べたように、ヨーロッパでは2000年京都議定書の締約をうけて、ただちに行動を開始し、法整備ののち2007年1月より、関係工場には全面的に水性塗料化が義務付けられた。塗料メーカーでは溶剤系塗料の使用はもとより、溶剤系塗料を製造することさえも禁止された。現在、水性がスタンダードとなったヨーロッパの社会では、完全水性塗料化へは、もう少し時間がかかるとしても、着実に成果を上げ100%に近づきつつある。

 このような背景により、ヨーロッパでは塗料の技術開発が進み、こと水性塗料に関しては日本より、はるかに先行したかたちとなっている。ここにきて日本の塗料メーカーは「トヨタの水性純正塗料の発売」に押された格好で、ようやく重い腰を上げた。

 いっぽうアメリカは低溶剤型塗料の方向へ進んでいる。現在、日本にはこれらヨーロッパとアメリカの2系統より製品が輸入されている。では世界はどちらの方向へ向かうのか?日本は何を選択すべきなのか?

 かつて日本では「カーメーカー系内製化工場は水性化へ進み、一般のBP工場は低溶剤型へ進む」というのが日本の塗料メーカーのおおかたの見方であった。いわゆる両立の考え方が主流である。

 ところが、昨今の地球環境の問題や世界の動きを見ると、必ずしもそのような流れではなくなってきたように思える。どうも水性が優位である。日本でもトヨタが水性化へ動き出したことで、この流れはいっきに加速することが予測される。日本の塗料メーカーは水性に一瞬の迷いがあって、遅れをとった。というのが真相のようである。

 

 

最近の地球環境に関するニュース

■環境危機時計 14分進み「9時31分」      2007年9月5日
 
地球環境の悪化による人類存続の危機の度合いを示す「環境危機時計」が昨年に比べて14分進んで9時31分になったと旭ガラス財団(瀬谷博道理事長)が5日、発表した。9時30分台に突入したのは初めて。
  危機時計の時刻は同財団が、世界の識者約700人から得たアンケートに基づいて決めており、今年が16回目。危機の程度は零時1分から12時までを「極めて不安な時間」としている。
  時計が進んだ理由について同財団理事の森島昭夫地球環境戦略研究機関特別研究顧問は「世界各地の異常気象など、地球温暖化問題が影響を与えた」と分析している。
  アンケートでは温暖化防止のため9割が「温室効果ガスの排出を将来的に現在の50%以下にする必要がある」と回答。京都議定書に定めのない2013年以降の取り組みについては、半数が米国、オーストラリアを規制対象国に加え、主要発展途上国も参加する体制が必要と答えた。

■埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市で40.9℃を観測 2007年8月16日
 
国内の最高気温の記録を74年ぶりに更新した。また、全国25地点で、その地点での気温の過去最高を記録した。これまでの記録は1933年に山形市で観測された40.8 ℃。これは太平洋高気圧の勢力がひじょうに強まったのが主因で関東ではフェーン現象も起きた可能性が高い。背景には6月から続く太平洋赤道域のラニーニャ現象や欧州南東部に熱波をもたらした北半球の偏西風の蛇行の影響がある。

  気象庁では「日本の夏の平均気温は過去百年で着実に上がっている」と指摘しており、地球全体の温暖化や都市部ヒートアイランド現象の影響が考えられる。さまざまな要因が重なっており同庁は6月に創設した異常気象分析検討会の開催を検討する方針だ。

  ラニーニャは、太平洋赤道域の中、東部の海面水温が低くなる現象で、逆に西部では水温が高くなる。この影響でフィリピンの東海上では、大気の対流活動が活発になって上昇気流が強まり、その北側に位置する太平洋高気圧は、下降気流が強まって勢力が増したと考えられる。

■北極海の氷 過去最小
 1978年の人工衛星による観測開始以来、最も小さい 530.7 万 k uなったと海洋研究開発機構と宇宙航空研究開発機構が2007年8月16日発表した。

 気候変動に関する政府間バネル (IPCC) が地球温暖化で2040年に到達すると予測していた 550万kuを下回り、氷が1年で最も小さくなる9月中旬には予測値の450ku程度まで縮小する可能性がある。

 原因は、冬にできた氷が薄かったことに加え、シベリア沖に低気圧が停滞し、陸の暖かい空気が北極に送り送り込まれていることや、強い風で大西洋に押し出される氷が増えているためという。

 海洋気候は「このペースで減少が続けば、温暖化を加速し、異常気象の頻発など気象システムに変化を及ぼす恐れがある」としている。これまでの最小記録は05年9月22日の531.5万ku。1980年代には最小でも700万kuはあった。今年は7月2日から、その過去の記録を更新し、8月だけで日本列島3つ分の氷が失われた計算になる。北米沖や東部シベリアの北方海域で、北極点方向への海氷の後退が激しい。

 

■地球上のサンゴ礁 激減 2007年8月21日 
 日本を含む太平洋やインド洋でのサンゴ礁の生息状況が過去四半世紀の間に急激に悪化し、その傾向が近年加速していることが最近の調査で分かった。 2667ケ所で調べた6000件のデータを解析した大規模な調査により、サンゴは年間3000kuを超えるベースで減っていると推測され、これは熱帯雨林の減少率よりはるかに大きい。研究グループは「地球温暖化による水温上昇が生息状況悪化の原因」と指摘している。

 台湾や日本の沿岸にあるサンゴ礁の平均被覆率も2004年には22.5%まで低下しており、例外ではなかった。 多様な生物の棲家であるサンゴ礁は生態系の保全に重要であるだけでなく、高潮被害防止や漁業、観光にとっても重要で、保全は国際社会の大きな課題である。地球温暖化による海水温上昇がこのまま続けば、地球上のサンゴは完全に失われることになる。

 

■【ローカル】京都府は今年の光化学スモッグ注意報発令日数は5月以降で延べ9日となり、 1977年以来のハイペースとなっている。

 光化学スモッグは自動車の排ガスや工場の煙などに含まれる。窒素酸化物や炭化水素が太陽光線に化学反応して生成される汚染物質。目やのどに付くと刺激があり、めまいや頭痛を引き起こすこともある。測定局でオキシダント濃度基準0.12ppm を超えると注意報を発令する。過去には大気汚染が問題となった1973 年、1974年に17日の発令を記録したが、1977年は9日となり以降は7日以下が続いた。今年は全国的には5月の発令が多く、これまでに発令がなかった新潟と大分でも注意報が発令された。急速に発展する中国からの汚染大気流入が懸念されるところである。

■日本や欧州連合(EU)諸国  
 温室効果ガスの排出削減を義務付けた「京都議定書」の規制期間が2008年1月1日から始まる。日本の排出量は増え続け、目標達成が危ぶまれているが、欧州各国では、再生可能エネルギーの拡大や税の活用などを通じた排出削減が進む。

  「環境問題はEUとして行動することに高い支持が得られる分野で、欧州統合プロジェクトの核であり続ける。そうでなければ気候変動との「戦争」に幸福することになるだろう。 EUが2020年までに少なくとも温室効果ガスの排出量を1990年比で20%削減する新目標を提案した1月、欧州委員会のスタブロス・ディマス委員 ( 環境担当 ) はロンドンの講演でこう述べ、 EUが地球温暖化対策で世界をリードする意識を強調した。  
  新目標について日本の環境省幹部は「バイオエネルギーや太陽光発電など再生可能エネルギーの比率20% に高めるなどエネルギー施策に踏み込んでいる点は日本にない特徴。日本も見習わなければならない。」と評価する。国によって差はあるが、いち早く企業に削減義務を課し、史上で削減枠を取引しながら削減を進める排出量取引制度を導入した英国や、再生可能エネルギーの利用に熱心なドイツや北欧諸国を中心に、京都議定書の目標達成に向けた対策の成果は着実に出ている。EUの排出量取引制度が始まった2005年、 EU27ケ国は国内総生産(GDP)が1.8%成長したにもかかわらず、二酸化炭素(CO2)排出量0.7%減を記録。議定書で削減が義務づけられてい15ケ国は1990年比で2%減。日本が8%増。米国が約18%増など、大幅な排出増に苦しむ他の先進国を尻目に、達成に向け進んでいる。

 自動車からのCO2排出規制や公共交通を重視した都市改造なども盛んになっており、GDP当たりのエネルギー消費量で、日本を上回る国もある。

 北欧のデンマークも、過去25年間で経済規模は1.7倍になったのに、エネルギー消費はほとんど変わっていない。京都議定書の交渉上、重要な2009年の締約国会議をコペンハーゲンで開催することが内定している。

■国連、NGOが結束 温暖化防止へ国際会議開く
 
国連広報局は9月5日、世界90カ国からの2000の非政府組織(NGO)と合同で、地球温暖化防止に向けた国際会合を開いた。温暖化問題に関する国連とNGOの会合としては最大規模。気候変動問題を最重要課題の1つに掲げる国連は、NGOと協力、結束して温暖化防止へ取り組む姿勢をアピールしたい考えだ。
  メーンテーマは「気候変動 われわれにどのように影響を及ぼすか」で会合は3日間。
  「先住民、文化と伝統的知識」「水の安全」「エネルギーの経済と政治」「持続的開発」など7つのパネルディスカッションや30以上の小規模な会合を開いて温暖化の理解を深め、今後の対策のあり方を話し合う。

 

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